知恩院へ行ってきた!特別公開中の「大方丈(おおほうじょう)・小方丈(こほうじょう)-京都 東山区- 3

知恩院

知恩院 大方丈・小方丈のつくりは?

外観からして正方形なのかと思っていましたが、若干長方形になっているようです。

屋根は入母屋造りで、中は書院造りとされています。

なんだそれ?ということで、ちょっと勉強しました。

日本建築における屋根の造りは主に三種類。

●切妻造(きりづまづくり)
・大棟(おおむね)を境に左右二つの面を葺き下ろした屋根。本を開いて伏せたような形。
・通気性がよく、雨漏りにも強いとされる。
・世界各地に分布する基本的な屋根の形。
・古代には真屋(まや)と称され、寄棟造↓より格が上とされた。

●寄棟造(よせむねづくり)
・大棟の両端から四方に隅棟(すみむね 屋根の隅で斜め方向に降りている棟)が降りる形式の屋根。
・屋根面は台形と二等辺三角形が二つずつできる。
・四柱造(しちゅうづくり)ともいう。
・面が四つあるため、また全方向に庇(ひさし)ができることで風雨に強いとされ、特に台風の多い地域や海の近くに多くみられる。
・正倉院宝庫、唐招提寺金堂などが代表例。

●入母屋造(いりもやづくり)
・寄棟造の上に切妻造の屋根を載せたような形で、切妻造だが四方に庇ができるもの。
・寺院などに多く、法隆寺金堂や玉虫厨子(たまむしのずし)などにみられる。また農家建築にも多く使われる。
・切妻造と寄棟造の利点を合わせ持ち、通気性や断熱性が高く、風雨にも強い。

寝殿造の概要

平安中期に成立。貴族の住宅様式。
・中央に寝殿(天子が日常寝起きする宮殿)。東西北にそれぞれ対家(たいのや 別棟の建物)を設け、渡殿(わたどの 屋根付きの廊下)で結ぶ。
・南側ののある中庭を、コの字の形で囲うように造る。
・大きく建屋で分け、部屋の中は襖などはなく、衝立屏風御簾などの調度品で仕切る。
・床は主に板敷で天井はなく、空間は広い。
北の対屋は妻の生活の場とされたことから、身分の高い人の妻を「北の方(きたのかた)」、「北の政所(きたのまんどころ)」と呼ぶ由来。
・江戸時代の会津藩国学者、沢田 名垂(さわだ なたり)の著書「家屋雑考」の中で、名付けられた。

書院造の概要

室町時代に始まり桃山時代に完成した武家住宅の様式。
・同じ建物のなかに部屋を区分する。
・床にはを敷き、天井を設ける。
・部屋との間には、舞良戸(まいらど)*、明障子(あかりしょうじ 明かりを入れる障子)、襖、板戸など引違いの建具とわずかな壁で仕切る。
 *舞良戸は框(かまち 窓や障子などの周囲の枠)の間に板を張り、表側に舞良子(まいらこ)と呼ぶ桟(さん)を横に細かい間隔で入れた引違い戸。
・角柱を貫(ぬき)、梁(はり)、桁(けた)などでつなぎ、大引(おおびき)、敷居(しきい)、鴨居(かもい)、長押(なげし)などの水平材を加える。
・客間の座敷に床の間、違い棚、付書院、帳台構えを設備する。
 ▻床の間(とこのま):床を一段高くし、掛け軸・置物・花などを飾る。
 ▻違い棚(ちがいだな):床の間の脇に二枚の棚板を左右に食い違いに取り付けたもの。
 ▻付書院(つけしょいん):床の間脇に縁側に張り出した棚で前に明かり障子を立て、文机としたりした。
 ▻帳台構え(ちょうだいがまえ):上段の間の側面などに設けた部屋飾りのひとつ。引き戸のふすまを設けたもので、ある時には武者が裏に控えていたりする。

へたな絵ばかりですいませんが、上記の書院造りの絵が知恩院の大方丈 上段の間です。

ちなみに大方丈と小方丈は以下のような間取りとなっています。ほとんど襖だけで部屋が区切られているんですね。

知恩院 大方丈・小方丈のみどころ

長さ2.5m、重さは約30kgもあるそうです。

大杓子(おおしゃくし)…大方丈を入るところの天井にいきなり巨大な杓子が飾ってありました。人々をすくう(救う)という意味があるともいわれるそう。七不思議のひとつ。

足がしゃべっているわけではありません。

鴬張りの廊下…ほんとにキュッキュいいますね。廊下の板も綺麗に保たれていて、歩くのが心地いいです。とにかくふすまとか障子でしか部屋や廊下が区切られていないので、実際住むとなると人がどこを歩くか把握しないと不安になるのかなぁと思いました。これも七不思議二つ目。

抜けた瞬間はこんな感じ?

襖絵の数々と抜け雀…狩野派が描いたとされる襖絵の数々はどれも素晴らしいと思いました。大方丈の菊の間には抜け雀として有名な絵があり、描かれた雀があまりに上手だったので飛んで行ってしまい、跡が残ったといわれているものです。古びていてわかりにくいかもしれませんが、見ると確かに跡だけがのこっているように見えます。七不思議三つ目。

三方正面真向の猫…どの方向からも見る人の目をまっすぐに見返してくるという絵ですが、ほかにもよくある話なのであまりいままで気にしませんでした。写真などはレンズを見つめて撮れば出来上がった写真はどこから見てもこちらを見ているようですからね。ただ、鏡を思い浮かべると、鏡で写る人の目はどの方向から見てもこちらを見ているというわけにはいきません。そう思うと急に「もしかするとすごいことかも」と思えるようになりました。写真はレンズ一点を見ますから、鏡や絵で表現するのはとても難しいのでは?と。堂々、七不思議の四つ目です。

化け猫ではありません。ほんものはもっと端正なお顔…

二重折上小組格天井(にじゅうおりあげこぐみごうてんじょう)・・・大方丈の上段の間の天井は最も格式の高い部屋として、このようなつくりになっています。

部屋の真ん中に座るお方の頭が窮屈にならないためなのかなぁと思いましたが、どうなんでしょうか。

あくまでイメージです。

ひとつひとつの格子のなかにさらに細かい格子がほどこされています。これを小組格天井というわけです。

それにしても相当手の込んだつくりです。(絵は手抜きだらけですが…)

ほかにも見どころはたくさんあります。

ガイドさんもいろいろ解説してくれますので、十分楽しめる内容だと思います。

ぜひ実物を見てみてください。

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