2024.9.15
予報どおり、雨でした。
山の天気は変わりやすいというのを逆転の発想で「晴れ」に転じるかもしれないなどと期待しましたが、この日晴れることはありませんでした。
雨は断続的に降りました。
風もなく、陽が昇るにつれ暑さは増し、着込んだ雨具の中も汗でぐっしょり濡れました。

まだ高度が低いので風もほとんど吹かず、雨具を着ているので暑くてたまりません。
低気圧のせいなのか息がしにくく、そのうえ岩場が多くてすぐにもばててしまいました。
こまめに休憩を入れましたが、一度座り込むとなかなか立ち上がれず、随分時間をかけて登ることになりました。

YAMAPのスマホアプリだけでなく紙の地図も勉強のため印刷して持っていくのですが、地図と高度からどんなコースか、まだ未熟な自分にも登れるのかをちゃんと判断できているつもりでした。
だいたいではありますが、
距離は10Km以内で標高差1,000m以内
ならなんとか登ってきたつもりでした。
今回のコースは、距離7.2Km、標高差895m で登りごたえはあるけれど、大丈夫だろうと高をくくっていました。
ところが、登れど登れど、次々と岩場や鎖場などが現れ、危険というまでではないにせよ、こういつまでも続くとひょっとしてリタイヤするしかないかなと感じてきました。
といっても、もう後戻りするのもなかなか難しそうです。
急な傾斜は登ることができても、降りるのは大変です。

(それでも半分まで登ってきたぞ!)
そう思った直後、恐ろしいことにも気づいていました。どうも登り始めから3合目くらいまでの標識をみていません。
つまり山全体でいうと、僕は中腹から登ったということにほかなりません。ただ、この5合目から頂上までは、それまで登った距離よりもさらに長く登らなければならないいうことになります。
やはりリタイヤか?

ふいに、地蔵岩が現れました。
そもそもこういう奇岩たちを見たくてこの山を選んだわけなので、ここでくじけるわけにはいかないと思いました。

景色は相変わらず何も見えません。滑ると止まれそうにないところを注意して通り過ぎます。

次は木の根のコースです。変化に富んでます。

キレット*が現れました。谷の底あたりに小さな人影が見えます。
*キレット…当て字で切戸と書く。語源は、cleft(裂け目)といわれる。(マイペディア)

ここへ来て、わくわくしてきました。
遠目に見て急な斜面に感じても、近視眼的には歩けるところが必ずあるので、どう足を運んでいかに無理なく登ったり下りたりできるかを考えるのがとても面白いです。
もちろん、修験道者が本気で挑むような危険な斜面はあまり好きではありません。
風が出てきて、いくぶん過ごしやすくなりました。
この辺から、イケると思えてきました。

雲は目まぐるしく動いていました。ときおり、雲の切れ目から街が見えました。

ロープウェイがかなたに見えたとき、あれに乗って帰ろうかなという考えが浮かびました。
なさけないなぁとも思いましたが、こんな急斜面を下りる自信はもうありませんでした。

ほどなく頂上付近に着きました。
ここからしばらく緩やかな登りが続くようでした。
つまり、頂上付近の平坦な道が距離をかせいでいたので、斜面の部分が短く険しいものであることに気づきませんでした。
YAMAPの活動記録を見ると、
距離:3.8Km 登り:757m
と、今までで最も過酷な登りを体験したと思います。

頂上に着きました!
時計を見れば、登り始めから4時間超。
傍らで若者グループが年配グループに報告している内容は、「1時間半かけて走って登ってきました…」
はしゃぐ彼らの横で、僕は年配グループに話しかけられないよう下を向くしかありませんでした。

ベンチでパンを頬張っていると、「シャッターを押してもらえませんか?」と別の若者たちが声をかけてきました。
女の子2名と男の子1名のグループでした。
「いいですよ」と応じて手にしたカメラは、あまり見たことのない少し大きめのものでした。
「はい、いきまーす」と一等三角点の表示を背にシャッターを押すと、ジーっという音とともに印画紙が出てきました。
「へー、懐かしい。ポラロイド?」
「はい。昭和レトロないい感じの写真が撮れるんです」

人懐っこそうな若者たちでした。
僕は今の若者たちとの間にいつの間にか壁をつくっていたのかもしれません。
「昭和レトロ」ブームが起きていることは知っていましたが、彼らから僕ら年配世代に近づいてきてくれているということなんだと思いました。
登りのときも次々若者に先を譲りつつも、なにか話しかけにくい感覚を持っていましたが、それは自分が勝手に躊躇していただけでした。
昭和のざっくばらんな感じでなんでも話しかければいいのではと、少し思えてきました。

帰りのロープウェイから眺めていると、支柱に高度が記載されていて、登り始めの550mくらいまでが随分長く感じました。よく登ったなと思いました。(結局帰りはロープウェイで)
しかし到着した湯の山温泉から駐車場まで標高差約150mくらいを登り直さなければならず、じめじめした登山道をぶつぶつぼやきながら登っていると、手の甲に赤いヒルが…。

ヒルって吸い付く前に思いっきり伸びをするんでしょうか?
(させるかー!)と指で弾き飛ばしたのですが、ちょっと力が入り過ぎて、どこへ飛んで行ったやら。なんにしてもまだ吸い付かれる前でよかったです。
【反省点】
登山コースは地図アプリなどで必ずシミュレーションすること。


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